こんにちは、宮古島観光協会青年部の39代某西村です!
5月〜6月にかけて、六青會(沖縄の観光協会青年部ネットワーク)の活動で、石垣市・沖縄市・名護市の各青年部を視察&交流してきました!
結論から言うと……
「めちゃくちゃ学びが多かった!」
それぞれのまちで、観光の見せ方・人の巻き込み方・地域の強みの活かし方がぜんぜん違う。そしてどこも「人が主役」の現場でした。
今回の視察で感じたことを、ざっくばらんにシェアします!
なお、六青會会議の内容を各総会のレポートに入れ込んでいるので多少前後がブレるかもしれませんが、総括的に見てもらって、感じてもらえればなと思います!
5月26日——
石垣市観光交流協会青年部
出席:西村・平澤・瀬名波・前田
6月12日・6月13日——
沖縄市観光物産進行協会青年部
名護市観光協会青年部STEP
出席:西村・瀬名波・真壁(+立津烈(飛び入り自腹))
六青會とは?

ざっくりな説明ですが、沖縄県内の観光協会青年部がつながって、情報交換や交流をしているネットワーク、それが「六青會(ろくせいかい)」です!観光振興を担う若手メンバー同士が定期的に交流・情報交換を行い、それぞれの地域が抱える課題や取り組みを共有しながら、沖縄全体の観光の質向上を目指しています。
- 宮古島観光協会青年部
- 名護市観光協会青年部step
- 沖縄市観光物産振興協会青年部
- 久米島町観光協会青年部
- 石垣市観光交流協会青年部
- 与那国町観光協会青年部
- 竹富町観光協会青年部(休部)
年に一度のスポーツ交流や、観光PRイベントを共同開催したり、地域課題を共有したりと、“観光の現場を支える若手たち”のリアルなつながりがここにあります!

会議全体の内容
- 宮古島観光協会青年部40周年記念式典、スポーツ交流会のお礼
- 決算報告
- 活動報告
→来年のスポーツ交流は沖縄市 - 竹富町の休部についての規約内容変更
→そもそもが休部についての記載がなかったので追記(予定) - 六青會でのPRイベントを沖縄で!(提案)
主なコメント抜粋
- 石垣市
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- 3月15日海開き開催。西表で採光するも悪天候によりテントが吹き飛び屋内開催
→Tシャツデザインコンテスト - 石垣市(行政)といっしょにツーリストシップの普及を昨年から開始
→自分のごみに責任をもつ・長時間行列に並んでもイライラしないでゆとりをもつ・目が合ったら会釈をする・時間にゆとりのある計画を立てるなどの推進 - お笑いライブ参加
→観光についての問題を笑って学ぶ
- 3月15日海開き開催。西表で採光するも悪天候によりテントが吹き飛び屋内開催
- 沖縄市
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- 広島東洋カープのキャンプ事業で事業収益増
- 2025年よりミスハイビスカスからハイビスカス観光親善大使に名称が変わりました。(3名)
- 名護市
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- ジャングリア開業2025年7月25日
→雇用問題が心配されている - 学生と企業の交流会
→就職を説明してるっていうイベントでじゃなくて交流してる。知ってもらうっていうイベント。実際就職に繋がってるっていう実績も出ている。 - ジャングリアの件も含め、宿泊税の導入等を考える勉強会を行った。
→コンベンションビューローの会長を呼び、前半がセミナー、後半にグループワーク。宿泊税についてのディスカッションをした。 - 収益事業として桜まつりでの「ガラポン」
→ホテルの協賛により宿泊チケットが目玉商品。ハズレ無し(お菓子をプレゼント)の1回500円ので、2日間の収益として40万円
- ジャングリア開業2025年7月25日
石垣市の感想:観光マナーを文化に変える「ツーリストシップ」の力

石垣では「観光客のマナー問題」に正面から向き合ってました。でも怒るんじゃなくて、“育てる”方向に転換してるのがすごい。
たとえば、
- ゴミは自分で持ち帰ろう
- 行列でもイライラしないで
- 会釈って、あたたかいよね
- 時間にゆとりを持とう
…などなど、「ツーリストシップ」と呼ばれる“旅人の心がけ”を、行政と一緒になって広げてるらしい。こういうマナーって、ポスター貼るだけじゃ伝わらないけど、「空気」で育てていくものなのかもしれないですな。石垣は“空気ごと育てよう”としてる。それってめっちゃ未来的だと思いました。
あと、PRの質が高い。クリエイティブもそうだし、キャッチコピーとかも「オール石垣島」を体現するようなものが多い気がする。お土産のパッケージの質の高さはもう何年前から感じてたけど、見上げれば、振り向けばこんなのばっかでスゲーって思いました。(これは市が主動なんだとしたらまじでカッケーっすね。)
あと、石垣市長の名刺が組長かってくらい圧が強い。ご自身も相当強い。そんなオーラを感じた。
翌日は久松五勇士の到着地点に行ってきた!フツーの旅だとなかなかチョイスしないけど、こういうときこそ行かないとね!












沖縄市の感想:「スポーツ×観光」が町のアイデンティティになってる

沖縄市は、とにかく“市との距離が近い”!
青年部も「観光」って枠にとどまらず、まちのブランディングそのものに関わってる感があって。たとえば、広島カープのキャンプで観光収益を増やしたり、来年の六青會スポーツ交流もアリーナでバスケ観戦予定だったり。
こういう“スポーツ都市”としての強みを観光にもつなげるって、地域アイデンティティの設計としてすごく理にかなってるなと。
あと、アメリカンビレッジの視察も行きましたが、ここは「民間主導でつくった街」っていうのが面白いポイント。価格設定も割と現実的で、“テーマパークじゃなくてリアルに生きてる街”って感じがすごく良かったです。

















名護市の感想:ガラポン、ジャングリア、そして大胆な断捨離

名護市観光協会青年部「STEP」では、2025年に控えたテーマパーク「ジャングリア」がホットな話題。
でも個人的に面白かったのは、その周辺で起きてる青年部の“内側の改革”。
- 部長の任期が長いことで、継続的に戦略を練り直す時間がとれてる。
- 「やらなくていいことは、やらない」と、イベントをどんどん見直している。
観光協会って、「前例踏襲」が当たり前になりがちだけど、名護はむしろそこに“目的思考の断捨離”が起きてる。これはすごい。
ちなみに収益事業の「ガラポン」は、1回500円でハズレなし(お菓子)+ホテル宿泊券が当たるという企画。結果、2日で40万円超の売上。シンプルだけど、スポンサー巻き込み型で仕組みがうまい。
あ、そうそう、ホテルチケット、2セットを実力(じゃんけん)でハンティングしてきたじぇ!
良い使い道、募集中。




















西村的宮古目線での気づき

3市を見てきて思ったのは、やっぱり観光の軸って「人」だなってこと。
- 石垣の“マナーは文化”に変える視点
- 沖縄市の“市と一体で観光の土台を育てる”姿勢
- 名護の“徹底的に目的を見極める事業づくり”
どれも、「どう見せるか」じゃなくて「なぜやるか」「誰とやるか」をちゃんと考えてる。観光=地域づくりであり、人づくりでもある。 そんな当たり前を、目の前で突きつけられた気がします。
そして、僕らはもっと行政と話し合う機会を造るべきなのでは?と強く感じました。
それこそ、コザのアメリカンビレッジのようなものは行政ではできない。けど、その空気を沖縄市全体が「いいぞもっとやれ!」と支えてくれているような気がする。
石垣のツーリストシップの勉強会なんかも、今の協会事務局を通してではおそらく届かないような気がする。DMOについての取り組みが大きい分、それ以外のことが手薄になっているかもしれない。そこをフォローして盛り上げていくのが青年部かもしれない。
名護はいつも取り組みが面白い。アイデアを試す。「まずが~とやってみる」みたいなところをすごく感じる。ガラポン収益事業は宮古島観光協会青年部でもできる取り組みでは?と思った。
宮古島もストロングポイントを見つけて、それを育てなくては。それが例えばトライアスロンやマラソン、駅伝なんかのランナーズヘヴンというものなのかもしれないし、そうでないのかもしれない。そういった点で、行政と膝を突き合わせていくなんてのも、青年部としてやれることなのかなと。
ちょこっとメモ:地味に感動したやつ

- ユーグレナモール、清掃グループがいて超きれい(仕組みで街の美しさが保たれてた)
- 石垣の人事制度が面白くて、「自企業から次の人が見つからなければ卒業年齢超えても続投OK」っていうフレキシブルさもあり
- 名護のアグリパーク(六次産業の拠点施設)はJTBが管理していて、成功には行政だけではダメだと痛感
- OB同士も交流したいし、その機会が欲かったんだろうな。ってことでそういうのができるっぽい。
「そば運」が悪かった話は…副部長か真壁くんに直接聞いてください!
最後に
観光って「正解がない」分野だからこそ、他地域の工夫や失敗から学ぶことが本当に多いと思います。
今回の視察では、“熱量ある人”が“自分の地域を信じて動いてる”ってことが何よりの刺激でした。宮古島もまだまだできる。もっと面白くできる。そのために、まずは僕たち青年部が動かないと。
「この部長、いつもカネカネ言ってんな!」と思うかもしれないけど、こういう経験をすることこそが宮古島観光協会青年部に所属する価値につながると思う。もっとみんなで外に出て、いろんなことに触れて、感じて、自分たちのビジネスに生かせるような刺激をもらって来てほしいと思います。
そうやって自分たちの本業に活かして地域に貢献することが、宮古島の観光を良くする光なんだと思うし、言い換えればこのミッション・ビジョンこそが「圧倒的ズミロールモデル」かもしれない。
そうやってみんなが学ぶ機会をつくるために、お金は大事です。
ハッキリ言って、楽しいですよ!じゃあもっと色んな人を連れて行くためにはどうすれば?そのための考えに至る一年として、皆さんの部費から貴重な出張費をいただき、本当にありがとうございます。
引き続き、沖縄県の仲間とも連携しながら、地元にとって意味のある観光のカタチを模索していきましょう!
一緒に旅して、私の「あそこ行きたい!」に振り回されながらも笑いの絶えない旅にしてくれた同行者メンバーに、そして他団体のおもてなしの気持ちに感謝を。
Thanks and respect to your all!
P.S.
この旅の途中で2冊の本を読みました。1冊目は「クラウドディレクター」というちょっと仕事のテクニック的な本(つまらなかった)。もう一冊はオーディブル(Amazonの聞く書籍)で「付加価値のつくりかた」という本です。
キーエンス出身の著者が、いかに仕事の生産性を高め、売上や利益を効率よく増やしていくのか。いかにムダな仕事を減らし、本当に意味のある仕事に集中していくのか。そのキーとなるのが、本書のテーマである「付加価値」なのだと解説している、いわゆる意識高い系本です。
まぁ、「価値=Value」についての話がメインになっているのだけど、その内容とは全く関係なく“価値”という言葉が刺さり、ふとこう思ったのでした。
「今の青年部には、価値がない」
ドキッとしてほしくてこういう言葉になったけど、ちょっと前に書いた『行動・ミッションこそが「圧倒的ズミロールモデル」』という部分に、本来なら「価値=Value」があるべきなのではないか。それが無い。抜けている。
簡単に言うと「〇〇で成長できる環境を作ります」みたいな約束みたいなもの。
本来、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)が一つになって初めて組織の体を成す。この『ミッション』『ビジョン』『バリュー』は、もともとは経営学者であり、「マネジメント」の発明者であるピーター・ドラッカーが提唱している考え方です。(現代では進化して“MVVSS”ミッション / ビジョン / バリュー / スピリット / スローガン が上げられる。)
MVVが存在しないと組織は存在意義や大目的を見失いやすくなってしまう。既存の状態で硬直化し、社会適合性を失ってしまう。一方で、しっかりとしたMVVがあると、組織は柔軟に変化し企業はどんどん発展していく。はず。
その価値を明確にすることで新規部員勧誘の一助になるのでは?そしてこうした旅から得ることこそが青年部に所属する価値の一つなのでは?
と、思いました!
P.P.S.
最後に堅苦しいことを書いておりますが、別に毎日MVVを唱和しようぜ!なんて1㍉も思いません。むしろ大っ嫌いです。
ただ、そういうことは、明確になっている方が色々と都合がいいのでは?
って話っすねー。
